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韓国連続毒殺事件 キム・ソンジャ事件

05 12, 2019


青酸カリを使った連続毒殺事件




キム・ソンジャは薬物を使って連続殺人を犯した女です。 彼女は生来の遊び癖を抑えることが出来ずギャンブルやキャバレー通いが原因で多額の借金を作ってしまいました。 そしてその返済に困ったキム・ソンジャは金を貸してくれた従姉妹や実父を毒殺してしまったのです。犯行に使われたのは猛烈な毒性を持つ青酸カリでした。 キムは青酸カリを健康飲料水などに混ぜて被害者に飲ませては毒殺を繰り返したのです。








毒殺事件が始まった



1986年11月、連続毒殺事件が始まりました。 ソウル市中区新堂洞の銭湯で女性客が倒れたと通報が行われました。駆け付けた救急隊員が銭湯に入ると、更衣室の中で中年女性(49)が倒れていました。 彼女は酷い痙攣症状を見せています。 口からは大量の泡を吹いていたのです。

その光景を見て慌てた救急隊員らが直ぐに最寄りの救急病院へ女性を搬送しますが、その甲斐もなく彼女は搬送先の病院で息を引き取ったのです。口から泡を吹いていた事で薬物による発作を疑われ、彼女の遺体は司法解剖に回されました。すると彼女の胃の中から青酸カリの成分が検出されたのです。

警察は銭湯の客らの取り調べを開始しますが当日その場に居合わせた客の中に怪しい者を発見する事が出来ません。警察は自殺と他殺の両面で捜査を開始しますがそのどちらとも判断が付かないような状況だったのです。彼女が銭湯に持って行った所持品の中にも自宅にも遺書らしき物を発見する事は不可能でした。



所持品が奪われた?



警察が家族らに所持品を返却した際に家族側が所持品の一部がなくなっている事に気付きます。それは被害者が普段から愛用していた真珠ネックレスなど宝飾品でした。 当日彼女が所持していたこれら宝飾品類4点が現場から無くなっていたのです。

警察は当日被害者と一緒に銭湯に来た知人女性キム(49)を取り調べます。
「お前が盗んだんか?
しかし女はそれをまっこうから否定しました。結局警察の調べでも紛失した宝飾品類を持ち去ったのは誰なのか?分からずじまいです。



またもや毒殺事件が



主婦の薬物死から時間だけが無駄に過ぎ去っていました。 あの事件から5ヶ月後となる1987年4月4日。またもや毒物による中毒死が発生します。
今度の犠牲者も中年女性(50)でした。 当日彼女はソウル市の龍山駅付近を走行するバスの中で発作を起こしたのです。 前回同様に酷い痙攣を伴い口からは大量の泡を吹いていました。



現在の龍山駅前



バスの中で彼女が倒れた事により運転手は大慌てで救急車の出動を要請します。しかしその中年女性は救急病院へ搬送される途中、救急車の車内で息を引き取ってしまいました。

警察はバスの乗客らの取り調べを開始しました。 しかし今回も手がかりとなる情報すら掴めないのです。 死亡した主婦の遺体はその頃司法解剖に回されており、その結果胃の中から前回の事件同様青酸カリの成分が検出されてしまいました。

この被害者も遺書らしき物は所持しておらず警察は自殺他殺の両面から捜査を行う必要性に迫られたのです。

しかし捜査権が2つの所轄警察署に分断されてしまった事で情報のやり取りが行われず、捜査は初動段階で大きな躓きを見せてしまいました。これが次の事件を呼ぶのに十分過ぎる程の時間的猶予を犯人に与えてしまいます。



容疑者



時間はかかりましたが容疑者らしき人物が捜査線上に浮かんで来ました。その人物は前回の銭湯での青酸カリ事件で犠牲者女性の知人でした。 その女の名はキム・ソンジャ。

警察はキム・ソンジャの周辺の聞き込みや追跡を行いましたがこれといった怪しい点を見つける事もできません。そのまま彼女を監視しながら3ヶ月が経過してしまいました。そして次の事件が発生するのです。




九死に一生を得た女性



走行中のバスの中で薬物死が発生した事件から10ヶ月が経過しました。 既に年は変わり1988年2月10日となっています。この日、タクシーに乗車していた中年女性(46)が走行中の車内で体の不調を訴え始めます。一緒にいた知人女性は彼女をタクシーから降ろし休憩させる事にしました。

しばしの休憩の後、再びタクシーに乗った二人でしたが中年女性はその車内で嘔吐を繰り返してしまいました。彼女の嘔吐物でタクシーを汚してしまった二人は弁償として洗車代金を運転手に手渡し自宅に戻ったのです。

幸いな事にこの中年女性は命を落とさないで済みました。そして後に彼女は自分が命を狙われてていた事を知るとその日一日の行動を警察に語るのでした。
「あの日、私はキムという名の知人と共に借金の取り立てに向かいました。途中でキムは手作りのハト麦茶に砂糖と思われる粉末を目の前で混ぜ、私に差し出したのです。私は何の用心もなくそれを飲んだ後体に異常を感じたのです。」



3人目の死者




その事件から1ヶ月が過ぎ去った1988年3月27日。金の父親(73)が親戚の結婚式から帰る途中に乗車したバスの中で飲料水を飲んだ直後に嘔吐しその場に倒れるという事件がまたもや発生しました。 同乗していた他の乗客が一連の事件を思い出し慌ててバスの運転士を説得したのです。
「あの老人を病院に連れて行った方がいい」

しかし老人が病院についた時点で心臓は停止していたのです。そして老人の心臓は二度と鼓動する事はなかったのです。通報を受けた警察は満足な調査もせずに死因を心臓麻痺で片付けてしまいました。彼の遺体は司法解剖すらされなかったのでした。




今度の被害者も所持品が奪われる



その翌月となる4月29日。 またもや薬物による死者が発生しました。この日もバスに乗った女性が車内で飲料水を飲んだ直後に嘔吐し倒れたのです。居合わせた乗客らによって女性は病院に運び込まれるのですが手当の甲斐もなく彼女は帰らぬ人となります。

ところがこの死亡した女性の手荷物が騒ぎの間に紛失していたのです。 彼女が当日所持していたハンドバックは後に発見されるのですがそこに入れていたダイヤの指輪が消えていました。 何者かが騒ぎに乗じて彼女の所持品を盗んでいたのです。





薬物を検出



この年の8月8日。暑い夏の日の午後の事でした。 この日の午後、キムの従姉妹(46)は借用書と交換に現金484万ウォンを金に手渡しました。キムは「安い家があるから」という儲け話を持ち掛けた従姉妹に不動産購入の為の金を用意させていたのです。

金を受け取ったキムは従姉妹に対して
「よかったらこれを飲んで。体にいいのよ。」
と健康ドリンクを差し出したのです。 そして二人はその場で別れ、従姉妹は路線バスに乗車し帰路についたのです。

ところがその車内で彼女は倒れてしまいました。そして死んでしまったのです。 司法解剖の結果、彼女の胃から青酸カリの成分が検出されました。これまでろくな捜査も出来なかった警察ですがここに来て一連の事件がバスの車内で発生していた事、また被害者と行動を共にしていたのがいつもキムである事に着目します。 



やっと身柄を拘束



警察はキムの逮捕状を裁判所に申請しました。そして逮捕状の発行を待って龍山警察署はキムの自宅を家宅捜索したのです。するとキムの自宅からは一連の被害者が死亡当日に紛失したとされるダイヤの指輪などが複数発見されたのでした。 そして彼女の自宅トイレの隠し穴から新聞紙に包まれた青酸カリが発見されたのです。それは捜査員が彼女の自宅トイレを利用した際に偶然発見したものでした。これがキムの容疑を決定付けたのです。

取り調べでキムの殺害目的や理由が段々と分かって来ました。それによると酒好き、そして賭け事好きのキムは夫の稼ぎだけでは足りない程、金に困窮していた事が判明しました。 また三人の子供を育てる為にも金が必要だったのです。

そしてキムは思案を重ねた結果、
「金を持っていそうな女や、金を貸してくれた女を騙して青酸カリを飲ませてやろう。そして借金の返済を免れよう。」
と思い立ったのでした。最終的に金の殺害した人数は5人に上っていたのです。



死刑執行



キムの死刑執行は1997年12月30日に行われました。それは韓国で最大かつ最後の死刑執行の日だったのです。この日以降韓国では死刑執行が行われていません。

※1997年12月30日の死刑は一日で23名が執行されました。 





Posted in 韓国
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Author:chopitonews
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