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被害者は売春婦 釜山テギョドン旅館殺人事件

06 24, 2019
2003年8月のある暑い日、事件は釜山の旅館で起こりました。
ここは韓国釜山広域市影島区です。 ここで営業をする旅館を舞台にひとりの男性とひとりの売春婦が事件を起こします。売春婦は買春客の手によりメッタ刺しにされ絶命してしまったのです。




殺害された売春婦




2003年8月23日夜。草原旅館にひとりの男がやってきました。 彼はチェックインを済ませると旅館の主に対して「女を買いたい」と注文を入れました。この旅館は普段から買春客と売春婦の仲立ちを行う商売で稼ぎを上げていた如何わしい旅館だったのです。

旅館の主はいつものように提携している売春婦の携帯電話に連絡を入れて「客が待っている。直ぐに来てくれ。」と告げました。

それから間もなくひとりの売春婦Aさん(当時32)が草原旅館に到着しました。 Aさんは主から「306号室で客が待っている」と言われ、指定されたその部屋ににひとりで向かいました。

しばらく後、別の部屋で待機していた主の耳に悲鳴のような女性の声が聞こえて来たのです。主は「また随分と派手にやってるもんだ」と思いながらも別の部屋の客に迷惑が掛からないようにと306号室に注意に出向いたのです。

「コン、コン」 ドアをノックしても部屋の中の客からの応答はありません。それを不審に思った主はそっとドアを開いて中を覗き込んだのです。

すると部屋の壁や床一面に鮮血のような液体が飛散しているのを目にしました。 驚いた主が部屋の中に入るとそこに売春婦のAさんが裸で死んでいたのです。

Aさんが先ほどまで着用していた衣類や、買春客のものと思われる男物の衣類までそこには残されていました。 その他にも買春客のものと見られた安物の腕時計や眼鏡、衣類、使用済みコンドーム、そして犯行に使われたと思われる切っ先を鋭く加工したナイフが残されていたのです。

この部屋中の壁や床に飛び散った血痕から想像するに被害者の売春婦Aさんは攻撃を受けながらも部屋中を逃げ回ったようです。




事件当時警察が作成した似顔絵1


事件当時警察が作成した似顔絵2





旅館の主が虚偽の供述を



草原旅館の主は困りました。それは自分が買春客と売春婦の間を取り持つ裏商売をしている事でした。 そんな状況下で殺人事件を起こされたら自分の旅館が警察に潰されてしまうと彼は考えたのです。

しかし、それでも主は警察を呼ばなければなりません。目の前に転がっている全裸で血まみれの売春婦の遺体を隠し続ける事など到底無理な話です。

とうとう意を決した主は警察に通報を行い、駆け付けた署員に対して自分都合の嘘の供述を行ってしまいました。その嘘を見抜くことが出来なかった警察はまんまと犯人に逃げる猶予を与えてしまったのです。

警察は被害者Aさんの身元を調べました。すると彼女の年齢は32歳。 子供の頃のAさんの両親は夫婦仲が悪く、Aさんは父親によって虐待されていたようだと判明しました。 その劣悪な家庭環境を嫌ったAさんは中学校を出た辺りで家出、以後売春婦の仕事に就いたようだとも分かりました。 



犯人検挙に至らず



初動捜査に大失敗を喫してしまった警察は残された遺留品などの分析から犯人を追い詰めるしか方法が残されていません。 被害者の遺体は司法解剖に回され、その結果彼女の体には10カ所にも及ぶ刺し傷が認められたのです。

そして使用済みコンドームのDNA鑑定を行った結果、犯人はA型の血液を持つ男であるとも判明したのです。更に犯人の残した下着などの遺留品から「容疑者は船舶従事者である」と推定します。

その線で捜査を続けた警察は釜山の船舶従事者の中から容疑者として数10人の割り出しに成功したのですがその誰しもが証拠不十分で検挙には至りません。

次に警察は漁業関係者に狙いを付けました。 そしてひとりの人物を重要参考人として位置付けるのですがこれも証拠不十分で逮捕する事が出来なかったのです。



犯行理由



この頃、警察は犯人の動機を絞り込む作業に追われていました。 彼らが立てた推測はこうです。
「使用済みコンドームが現場に残されていた事から犯人と被害者である売春婦Aさんとの間に性交渉は行われていた。しかし性交渉を行った相手である売春婦を事後に殺す理由は限られる。 それは犯人のペニスの長さを売春婦であるAさんが馬鹿にしたから、もしくは性行為の上手い下手を指摘され、それに逆上した犯人は彼女の体を10カ所も刺し続けて殺したのだろう。」
どうやら犯人はとても自尊心の強い男のようです。

この説は韓国のマスコミですら面白がって同調する始末でした。 自分のペニスの長さや性行為の上手い下手を嘲笑された位でその相手をメッタ刺しにして殺すような人物が普段から切っ先の鋭いナイフを所持して街中をうろついていた事に市民らは恐怖を抑えられません。




迷宮入り?




事件発生から既に11年が経過していた2014年の事でした。 もう誰しもが脳裏からこの事件の記憶が薄れていた頃の出来事です。

船舶従事者のパクと名乗った人物が警察に自首して出たのです。
「11年前のあの草原旅館事件は俺がやった」
応対した警察官相手にそう彼は告げたのです。

翌日、パクは取り調べ官相手に自供を覆してしまいました。
「あの時は酒に酔っていて自分が何を言ったのか?覚えていない。」

警察はパクからDNAのサンプルを採取、事件当時現場に残されていた犯人が使用したコンドームに残されていたDNAとの比較作業に入りました。 しかしこの2つのDNAサンプルに共通点は少なかったのです。 よって証拠不十分を理由にパクは釈放されてしまいます。

この事件は犯人を検挙する事なく2019年に15回目の夏を迎えてしまいました。 現在この事件は「迷宮入り事件だろう」と言われています。


Posted in 韓国
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Author:chopitonews
海外の歴史的事件や重大事故を記録しています

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