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大田16歳女子高生自殺事件 「自殺の連鎖」

07 26, 2019
2011年も残り1か月を切った12月2日の事でした。 その日の午後2時30分頃、韓国の大田屯山女子高校に通っていた女子高生ソンジュさん(16)は自宅のあるマンションの14階から投身自殺を行いました。 彼女は学校で級友から受けた苛めを苦にして飛び降りた事が分かっています。



苛めがエスカレートの一方



ソンジュさんが通う大田屯山女子高校は韓国・大田広域市西区ガルマにある公立の女子高校でした。ソンジュさんの学校生活はお世辞にも良いものとは言えず、後に加害者側となるクラスメート(1名)との仲は劣悪だったようです。

2011年の長い夏休みも終わった9月の事でした。対立していたクラスメートはソンジュさんを苛める目的で別のクラスの女子生徒相手に仲間を募りました。 こうして夏休み明けからソンジュさんに対する苛めはエスカレートする一方でした。

ここに来てソンジュさんは担任の教師に苛めを受けていると相談をする事にしたのです。ところがその担任教師は事態解消に努めるどころか逆に「先生は生徒同士の諍いには介入しません」との態度を表明してしまうのです。

しかしその教師に対する相談が苛めを行う側の女子生徒に情報漏れしてしまいます。すると加害者側の女子生徒らは「あの女、先生に言いつけやがった」と逆上、報復を計画し実行してしまったのです。

この「言いつけ」事件がきっかけとなり加害者側女子生徒らは大勢でソンジュさんに苛めを加えたとされます。多勢に無勢、ソンジュさんに成す術はなかったのでした。



自宅マンションの14階からダイブ



集団での苛めを受けたとされるソンジュさんは傷付きました。 学校から帰って来たソンジュさんは自宅(部屋)がある4階でエレベーターを降りようとせず最上階の14階までそのままエレベーターに乗って向かいました。

ソンジュさんは14階でエレベーターを降りると床に「天国の世界」という手書きのメモを残して14階から地上目掛けて空を飛んだのです。 ソンジュさんの血まみれの遺体がマンション住民によって見つけられたのは翌日になっての事でした。

警察は14階で発見したソンジュさんの手書きの遺書と学校鞄、たくさんの本、そして靴を発見しました。



事件は報じられ、苛めた側の生徒とソンジュさんを見捨てた教師は・・



そして苛めを苦にしたソンジュさんの投身自殺は韓国のマスコミによって大々的に報じられてしまいました。事件を知ったマスコミらは大田屯山女子高校やソンジュさんのクラスメートらに取材攻勢を掛けたのです。 その結果、新しい事実が次々と浮かび上がってきました。

ソンジュさんが担任教師に言いつけたと身勝手な解釈をした同級生女子らはその日の授業が終わった後、隣のクラスの女子生徒を仲間に引き入れてまで頭数を増やして用意周到な準備をしていたようです。 事件後ネチズンらはその行為を「暴力団や街のゴロツキと同様の手口だ」と非難する事になります。こうしてたった一人のソンジュさんは大勢に呼び出しされた挙句、苛めを受けたといわれています。

次にマスコミは彼女から相談を受けた担任教師に攻撃の矛先を向けました。 それに対してやり玉に挙げられた担任教師はこう弁明に走ったのです。
「あの相談についてだが、あれは生徒同士の苛め事件に関して無関心であったわけではない。」
自らのその発言で教師は更に自分を追い詰める事をこの時予想だにしなかったようです。

更にマスコミはソンジュさんの家族にまで取材を要求しました。 すると家族のひとり(兄、24)はマスコミに対して次のように述べました。
「ソンジュは担任教師に解決への仲裁を求めたが教師はそれを行わなかったらしい。 それは自殺の直前の事だった。担任教師の助けが行われないまま逆に事態は悪化し授業中に同級生女子と喧嘩にまで発展してしまった。 同級生の苛めや担任教師の無関心が彼女を自殺にまで追い込んだ。ソンジュの自殺以降、両親は塞ぎこみ床に伏してしまったままだ。自分は学校側の陳述書や通話記録まで保管している。妹を死に追い込んだ同級生らや担任教師が処罰される事を強く望む。」



事件の詳細をSNS上にアップロードされ



マスコミがこの事件を暴こうと血眼になっていたその時でした。 誰かがインターネット上(SNS上)に苛めに関する詳細な情報をアップロードしてしまったのです。 

そこにはソンジュさんの苛めに関わった女子生徒らの氏名や担任教師と名指しされた教師名が書かれていたのです。 それは「DCインサイド」と呼ばれるサイト上で行われたのでした。

このDCインサイド自体、普段から誹謗中傷が横行しそれによる事件への発展も珍しくはない存在でした。 ここにソンジュさんへの苛めに関する情報が記載されたのだから騒ぎは俄然勢いを増してしまいました。それは燃料投下と言っても良い程でした。



個人名まで晒され、攻撃した側が今度は攻撃される側に



何者かがDCインサイド上でソンジュさんへの苛めを行ってたとする人物として加害者生徒4名の実名をアップロードしてしまいました。 その何者かはそれだけでは飽き足らずソンジュさんが苛めに関する相談をした相手の担任教師の名前までアップロードしてしまったのです。

更に何者かは彼女らの携帯電話の電話番号や加害者側女生徒らのSNSアカウントまでアップロードをしました。 併せてソンジュさんの生前の最後の姿を撮影した画像までSNS上にアップロードしたのです。それはエレベーターを降りて自殺に向かう直前の姿でした。

そしてその人物の正体が明らかになります。 その人こそ誰あろうソンジュさんの兄だったのです。ソンジュさんの兄は自分の妹がどんな気持ちで最後の瞬間を迎え入れたのか?その姿を多くの市民に知ってもらいたかったようです。 兄がアップロードしたソンジュさんの最後の姿はネチズンらによって次々と拡散され世間は加害者側への攻撃準備を開始してしまうのです。
 
こうしてソンジュさんを自殺に追い込んだとされる同級生や担任教師らは次に自分らが攻撃される側に回されたのです。ネチズンらは「これはいかん。ソンジュさんを自殺に追い込んだ同級生らや担任教師らをとことん追求するべきだ」と意見が一致、関係者らには批判の声が次々と押し寄せました。しかし学校側はそれに対して「親族の言い分は事実とはかなりかけ離れている。」「一番の解決方法は女子生徒同士でのトラブル解決であった。」とコメントを出してしまいます。

一連の騒ぎで慌てた大田市教育委員庁は生徒や教師らのカウンセリングを行うなど事後対策に血眼になっていました。

しかしその時、何かの誤解か手違いで担当教師の顔写真が同名の別人の顔写真が使われてしまいました。この事で間違えられた別の教師までも批判の矛先に立たされてしまったのです。 

そして事件の翌年となる2012年1月16日の事でした。 ソンジュさんと同じクラスの学級委員であった女子生徒パクさん(17)が投身自殺を行ってしまいました。 自殺した学級委員はソンジュさんの家族が「ソンジュは同級生らから受けた苛めが原因で自殺に追い込まれた」として警察や市教育庁に再調査依頼を行っていたのです。

こうしてパクさんは警察に呼ばれ、そこでソンジュさんの自殺や苛めに関する調べを受けていたそうです。調べは警察署や学校内で合計5回にも及びました。

警察からの事情聴取を受けていたパクさんは1月16日午後6時40分、大田市西区屯山洞のアパート14階から飛び降りてしまいます。 そのアパートの警備員が彼女を発見、パクさんは救急病院へ搬送されましたが死亡が確認されたのです。

パクさんの投身自殺に関して所轄の警察署となった大田警察署は次のように述べるに留まりました。
「パクさんの遺書は発見されていません。 但し、ソンジュさんの投身自殺に反応してしまったようです。警察としてはパクさんからの事情聴取に関して最大限の気遣いは行っていました。」

事件に関して学校側と同級生側は苛めの仲裁に入らない処か、事件発覚後この苛めの存在を否定する動きを示したとされます。生徒側が報道を続ける新聞社などに抗議の電話やメールを送っていたとまで言われました。そして加害者側に回った女子生徒らはその後大学に進学したと報じられています。

これは2011年に韓国で実際に起こったとても悲しい事件の記録です。



Posted in 韓国
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Author:chopitonews
海外の歴史的事件や重大事故を記録しています

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