釜山東莱温泉コーヒーショップ経営者刺殺事件 「全身54か所メッタ刺し」
09 17, 2019
2001年に韓国釜山広域市で発生した女性経営者惨殺事件です。 事件の現場となった飲食店は昼間は喫茶店、夜は酒場という営業形態を持っていました。被害者の女性経営者は全身を54か所もメッタ刺しされ絶命しています。 この事件は警察の捜査の甲斐もなく18年後の現在も犯人は検挙されていない、いわゆる未解明事件扱いとなっています。
釜山の温泉地で事件発生
2001年3月12日、韓国南端の街・釜山。東莱(トンネ)の温泉街で営業していたクリスタルコーヒーはこの日もいつものように一日が始まろうとしていました。
午前9時、従業員であるキムさん(女)が開店の準備で出勤してきました。 彼女が店の中に入ると店内が荒らされている事に気付きました。 床や壁には赤い液体が飛び散っているのが目に入ります。 それは一目で人間の血液であると彼女には判断出来ました。 カーペット敷きの床には女性もののボトムが散乱しています。 血まみれの床には1本だけ特別に太い血痕の筋がトイレまで繋がっているのが分かりました。
キムさんはその1本の太い血痕を辿ってトイレまで辿り着きまた。そしてドアを開いて中を覗き込んだ瞬間悲鳴を上げてしまったのです。 何故ならそこには下半身裸の状態で全身を無数に刺された女性経営者の李さん(51、女)が放り込まれていたからです。 キムさんに発見された時、李さんの全身の血液は既に流出し切っていました。
警察到着、しかし・・
第一発見者のキムさんの112通報(警察への緊急通報)により駆け付けた所轄警察署の警官や刑事ですら李さんの遺体を直視するには勇気が必要でした。 それ程までに刃物を使ってメッタ刺しされていたのです。
所轄警察署はキムさんの遺体を国立科学捜査研究院に送り司法解剖を依頼したのです。 そこで解剖を受けたキムさんの遺体ですが全身に54か所もの刃物による刺し傷が認められたのです。 それぞれの傷口の大きさや体内に差し込まれた際の刃物の角度を分析した結果、使用された凶器は全部で3種類であろうと考えられました。
犯行現場となったクリスタルコーヒーで使われていた食器からは指紋を採取する事が出来ましたが、警察はそれが誰の指紋であるのか? 判断も付かなかったのです。
また床には犯人のものと思われる血染めの足跡が複数残されていましたが、鑑定の結果「ひとつの足跡はサイズや形状から女物の靴であると考えられる」との報告書の提出を受け、「犯人は女1名を含む複数犯からなるグループである」と考えられました。
ところが、これだけの証拠を得た警察ですがこれ以上の犯人追跡は行き詰まりを見せてしまいます。
捜査範囲の拡大
困った捜査班はキムさんに退行催眠に同意するように申し入れました。 催眠術をキムさんに使用して事件当夜にどのような客が最後に店にいたのか?それを探る目的でした。
キムさんは退行催眠の中で数人の客の人相風体や名前を証言したのです。 捜査班はその指名された人物を警察に呼び取り調べを行いましたが、これらの人物の中に李さん殺害の犯人と思えるような人物は存在しなかったのです。
これに窮した捜査班は李さんの家族や李さんの友人が犯人では?と考え、その線での捜査も行いましたがこれも無駄足でした。
担当刑事刷新
既にTVニュースや新聞などで取り扱われ国民にその凶悪さを知られてしまった警察は、「現在の担当刑事の構成では能力に限りがある。 よって担当刑事の一部を刷新(顔の入れ替え)を行い、1から再捜査を行う。」と決定します。こうして数名の担当刑事の入れ替えが行われ、捜査班は新たな顔ぶれで事件解決にあたるのでした。
その結果、重大な捜査ミスが行われていた事が判明してしまうのです。 その理由の1つ目は証拠品の見落としでした。 クリスタルコーヒーの店内を新たに調べ直した所、犯人が使用していたと思われていたテーブルの下に洋酒のボトルキャップが落ちていたのです。旧捜査班の証拠見落としがここで発覚してしまいました。
洋酒を買い求めたのは女店主
洋酒のボトルキャップを調べた所それは「ヘネシー」と呼ばれる洋酒でした。この銘柄は普段クリスタルコーヒーでは扱っておらず、警察は付近の酒販店に聞き込みを開始したのです。 その結果、ある酒販店から「事件の数日前にクリスタルコーヒーの経営者李さんが自ら来店し買い求めたものです」との証言を得ました。しかし洋酒の捜査はここで行き詰まりを見せてしまいます。
その頃、警察にある情報が寄せられていました。それは次のようなものでした。
「被害者の李さんは表向き飲食店経営者だが、裏では高利貸しをしていた。 その返済に困った債務者が暴力団に李さん殺害を依頼した。」
それを裏付けるかのように新たな顔ぶれの捜査班はクリスタルコーヒーの店内で新たな証拠を発見する事になります。それは事件解決の糸口とも呼べる代物でした。
借用証文発見
クリスタルコーヒーの店内で血まみれの床カーペットを剥がした際、その下から借用証文の束が発見されたのです。その枚数は8部でした。
どうやら殺害された李さんは自分の命が奪われるのを覚悟して、借用証文の在り処だけは口を割らなかったようです。
借用証文にサインしていた8名は全員実在する人物でした。しかし事件当日のアリバイは全員が持っていたのです。
しかし警察はその中の一名に目を付けたのでした。重要参考人として扱われたその人物はクリスタルコーヒーの向かい側に住むAさん(30代、女)でした。
暴力団事務所の家宅捜索失敗
警察は狙いを付けた暴力団事務所の家宅捜索を行いましたがその暴力団事務所から李さん殺害の証拠となるような物は何一つ発見できなかったのです。
次に警察はクリスタルコーヒーの前に住む債務者の女性Aさんの自宅を家宅捜索するのですが、そのAさんの自宅からも李さん殺害の証拠となるような物は何も見つける事が出来ません。
警察がAさんを疑った最大の理由は李さん殺害日とAさんの借金返済日が同一日であるという事だったようです。
Aさんが他界、口封じとも言われる
事件から数年後、警察の捜査は行き詰まりから脱却する事が出来ない状況でした。その上、警察の捜査に最大の障壁が立ちはだかる事となります。
今度はAさんが交通事故で死亡してしまうというアクシデントに見舞われたのでした。 こうしてAさん絡みの路線での事件捜査は完全に行き詰まりを見せてしまいます。
ある関係者はこのAさんの交通事故死に関して次のように言いました。
「Aさんは単なる交通事故で死亡したわけじゃない。 警察の捜査が身の周りに及んだ暴力団が口封じ目的でAさんを交通事故に見せかけて殺害したんだ。」
この信ぴょう性は分かりません。しかし事件発生から既に18年という歳月が流れてしまいました。今も李さん殺害の犯人グループは一名も検挙されてはいません。 事件は未解明事件入りしてしまったのです。
釜山の温泉地で事件発生
2001年3月12日、韓国南端の街・釜山。東莱(トンネ)の温泉街で営業していたクリスタルコーヒーはこの日もいつものように一日が始まろうとしていました。
午前9時、従業員であるキムさん(女)が開店の準備で出勤してきました。 彼女が店の中に入ると店内が荒らされている事に気付きました。 床や壁には赤い液体が飛び散っているのが目に入ります。 それは一目で人間の血液であると彼女には判断出来ました。 カーペット敷きの床には女性もののボトムが散乱しています。 血まみれの床には1本だけ特別に太い血痕の筋がトイレまで繋がっているのが分かりました。
キムさんはその1本の太い血痕を辿ってトイレまで辿り着きまた。そしてドアを開いて中を覗き込んだ瞬間悲鳴を上げてしまったのです。 何故ならそこには下半身裸の状態で全身を無数に刺された女性経営者の李さん(51、女)が放り込まれていたからです。 キムさんに発見された時、李さんの全身の血液は既に流出し切っていました。
警察到着、しかし・・
第一発見者のキムさんの112通報(警察への緊急通報)により駆け付けた所轄警察署の警官や刑事ですら李さんの遺体を直視するには勇気が必要でした。 それ程までに刃物を使ってメッタ刺しされていたのです。
所轄警察署はキムさんの遺体を国立科学捜査研究院に送り司法解剖を依頼したのです。 そこで解剖を受けたキムさんの遺体ですが全身に54か所もの刃物による刺し傷が認められたのです。 それぞれの傷口の大きさや体内に差し込まれた際の刃物の角度を分析した結果、使用された凶器は全部で3種類であろうと考えられました。
犯行現場となったクリスタルコーヒーで使われていた食器からは指紋を採取する事が出来ましたが、警察はそれが誰の指紋であるのか? 判断も付かなかったのです。
また床には犯人のものと思われる血染めの足跡が複数残されていましたが、鑑定の結果「ひとつの足跡はサイズや形状から女物の靴であると考えられる」との報告書の提出を受け、「犯人は女1名を含む複数犯からなるグループである」と考えられました。
ところが、これだけの証拠を得た警察ですがこれ以上の犯人追跡は行き詰まりを見せてしまいます。
捜査範囲の拡大
困った捜査班はキムさんに退行催眠に同意するように申し入れました。 催眠術をキムさんに使用して事件当夜にどのような客が最後に店にいたのか?それを探る目的でした。
キムさんは退行催眠の中で数人の客の人相風体や名前を証言したのです。 捜査班はその指名された人物を警察に呼び取り調べを行いましたが、これらの人物の中に李さん殺害の犯人と思えるような人物は存在しなかったのです。
これに窮した捜査班は李さんの家族や李さんの友人が犯人では?と考え、その線での捜査も行いましたがこれも無駄足でした。
担当刑事刷新
既にTVニュースや新聞などで取り扱われ国民にその凶悪さを知られてしまった警察は、「現在の担当刑事の構成では能力に限りがある。 よって担当刑事の一部を刷新(顔の入れ替え)を行い、1から再捜査を行う。」と決定します。こうして数名の担当刑事の入れ替えが行われ、捜査班は新たな顔ぶれで事件解決にあたるのでした。
その結果、重大な捜査ミスが行われていた事が判明してしまうのです。 その理由の1つ目は証拠品の見落としでした。 クリスタルコーヒーの店内を新たに調べ直した所、犯人が使用していたと思われていたテーブルの下に洋酒のボトルキャップが落ちていたのです。旧捜査班の証拠見落としがここで発覚してしまいました。
洋酒を買い求めたのは女店主
洋酒のボトルキャップを調べた所それは「ヘネシー」と呼ばれる洋酒でした。この銘柄は普段クリスタルコーヒーでは扱っておらず、警察は付近の酒販店に聞き込みを開始したのです。 その結果、ある酒販店から「事件の数日前にクリスタルコーヒーの経営者李さんが自ら来店し買い求めたものです」との証言を得ました。しかし洋酒の捜査はここで行き詰まりを見せてしまいます。
その頃、警察にある情報が寄せられていました。それは次のようなものでした。
「被害者の李さんは表向き飲食店経営者だが、裏では高利貸しをしていた。 その返済に困った債務者が暴力団に李さん殺害を依頼した。」
それを裏付けるかのように新たな顔ぶれの捜査班はクリスタルコーヒーの店内で新たな証拠を発見する事になります。それは事件解決の糸口とも呼べる代物でした。
借用証文発見
クリスタルコーヒーの店内で血まみれの床カーペットを剥がした際、その下から借用証文の束が発見されたのです。その枚数は8部でした。
どうやら殺害された李さんは自分の命が奪われるのを覚悟して、借用証文の在り処だけは口を割らなかったようです。
借用証文にサインしていた8名は全員実在する人物でした。しかし事件当日のアリバイは全員が持っていたのです。
しかし警察はその中の一名に目を付けたのでした。重要参考人として扱われたその人物はクリスタルコーヒーの向かい側に住むAさん(30代、女)でした。
暴力団事務所の家宅捜索失敗
警察は狙いを付けた暴力団事務所の家宅捜索を行いましたがその暴力団事務所から李さん殺害の証拠となるような物は何一つ発見できなかったのです。
次に警察はクリスタルコーヒーの前に住む債務者の女性Aさんの自宅を家宅捜索するのですが、そのAさんの自宅からも李さん殺害の証拠となるような物は何も見つける事が出来ません。
警察がAさんを疑った最大の理由は李さん殺害日とAさんの借金返済日が同一日であるという事だったようです。
Aさんが他界、口封じとも言われる
事件から数年後、警察の捜査は行き詰まりから脱却する事が出来ない状況でした。その上、警察の捜査に最大の障壁が立ちはだかる事となります。
今度はAさんが交通事故で死亡してしまうというアクシデントに見舞われたのでした。 こうしてAさん絡みの路線での事件捜査は完全に行き詰まりを見せてしまいます。
ある関係者はこのAさんの交通事故死に関して次のように言いました。
「Aさんは単なる交通事故で死亡したわけじゃない。 警察の捜査が身の周りに及んだ暴力団が口封じ目的でAさんを交通事故に見せかけて殺害したんだ。」
この信ぴょう性は分かりません。しかし事件発生から既に18年という歳月が流れてしまいました。今も李さん殺害の犯人グループは一名も検挙されてはいません。 事件は未解明事件入りしてしまったのです。